コース図
パリロンシャン 芝2400m

ラップ
25.91 – 50.50 – 1:15.56 – 1:40.70 – 2:05.34 – 2:29.17
25.91 – 24.59 – 25.06 – 25.14 – 24.64 – 23.83
結果
日本馬への輸送費補助制度の導入、フォワ賞などのステップレースがこれまでより1週前になるなど、日本馬にとってメリットとなる変更がいくつかあった2025年。中でも、フォルスストレートの排水工事による馬場コンディションの良化は、重い馬場が苦手と言われる日本馬にはかなりの追い風となるのではないかと見られた。
ところが運命というものは皮肉なもので、レース週の週末に大量の降雨があり、レース当日のペネトロメーター(馬場硬度計)の数値は過去3年で最も悪い4.1。さらにレース直前に突然のスコールがあり、決して日本馬に向いたコンディションとは言えない状態での出走となった。
スタートは、ビザンチンドリームがやや出遅れ気味にスタートした以外はまずまず揃い、例年通りどの馬もソロッとした動きになる中、ホタツェルが先手を取った。前半は昨年よりも速いペースで進んでいたが、1000m通過前後でややペースが落ちる。そこで二番手にいたクロワデュノールが先頭に出てレースを引っ張る形になった。大外枠の発走で前に壁を作れない中、やむを得ない選択だったのかもしれない。
フォルスストレートでも大きく隊列は変わらずクロワデュノールが先頭のままレースはいよいよ最後の直線へ。
道中はインの4,5番手でじっとガマンしていた3歳牝馬ミニーホークが、クロワデュノールの外へ持ち出し追い出しにかかる。後方を進み徐々にポジションを上げながらコーナーでインを突いたビザンチンドリームもオープンストレッチで空いたさらにインに持ち出し、先頭をうかがえるポジションまできた!フォワ賞で見せた末脚をここでも発揮するかと期待が高まる。
しかし、日本馬への期待を嘲笑うかのように、残り200mではミニーホークが抜け出し後続を突き放しにかかる。
「今年も牝馬の圧勝か」と思われたその刹那、道中はインで力をためてミニーホークをマークするような形になっていたダリズが残り100mで馬体を併せ叩き合いに!
ゴール前まで続いた争いは、最後にアタマ差ダリズが前に出てゴール。凱旋門賞が初GⅠ勝ちとなった。
鞍上のM.バルザローナも嬉しい凱旋門賞初勝利。喜びを爆発させた。
残念だったのは日本馬で、ビザンチンドリームの5着が最高。フォワ賞で発揮したラストの伸び脚が炸裂しなかったのは、フォア賞時はペネトロメーター3.4、凱旋門賞では4.1だったのが影響したか。
逃げたクロワデュノールは14着、アロヒアリイは16着と、粒揃いのメンバーでの挑戦だったが、またしても悲願達成とはならなかった。
着順 | 馬番 | 馬名 | 国 | 性齢 | 斤量 | 着差 | 騎手 | 調教師 | ゲート |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | ダリズ | ![]() | 牡3 | 56.5 | M.バルザローナ | F.グラファール | 2 | |
2 | 17 | ミニーホーク | ![]() | 牝3 | 55 | アタマ | C.スミヨン | A.オブライエン | 1 |
3 | 4 | ソジー | ![]() | 牡4 | 59.5 | 5 1/2 | S.パスキエ | A.ファーブル | 3 |
4 | 1 | ジアヴェロット | ![]() | 牡6 | 59.5 | アタマ | A.アッゼニ | M.ボッティ | 5 |
5 | 6 | ビザンチンドリーム | ![]() | 牡4 | 59.5 | クビ | O.マーフィー | 坂口智康 | 15 |
6 | 3 | アローイーグル | ![]() | 牡4 | 59.5 | 3/4 | I.メンディザバル | JC.ルジェ | 16 |
7 | 9 | カルパナ | ![]() | 牝4 | 58 | 短クビ | C.キーン | A.ボールディング | 10 |
8 | 12 | ルファール | ![]() | 牡3 | 56.5 | 短アタマ | C.デムーロ | JC.ルジェ | 6 |
9 | 8 | キジサナ | ![]() | 牝5 | 58 | 2 1/2 | A.プーシャン | F.グラファール | 7 |
10 | 14 | ホタツェル | ![]() | 牡3 | 56.5 | アタマ | S.フォーリー | Mrs.J.ハリントン | 11 |
11 | 10 | アヴァンチュール | ![]() | 牝4 | 58 | 1/2 | M.ギュイヨン | C.フェルラン | 12 |
12 | 2 | ホワイトバーチ | ![]() | 牡5 | 59.5 | クビ | D.マクモナグル | J.マーフィー | 9 |
13 | 18 | ゲゾラ | ![]() | 牝3 | 55 | ハナ | T.マーカンド | F.グラファール | 13 |
14 | 15 | クロワデュノール | ![]() | 牡3 | 56.5 | アタマ | 北村友一 | 斉藤崇史 | 17 |
15 | 13 | クアリフィカー | ![]() | 牡3 | 56.5 | 3/4 | W.ビュイック | A.ファーブル | 8 |
16 | 16 | アロヒアリイ | ![]() | 牡3 | 56.5 | 3 1/2 | C.ルメール | 田中博康 | 4 |
17 | 5 | ロスアンゼルス | ![]() | 牡4 | 59.5 | 7 | W.ローダン | A.オブライエン | 14 |
1〜3着馬の血統構成
Sea The Stars産駒のダリズが勝利したことにより、史上初の親子3代凱旋門賞制覇が達成された。
ダリズの父の母Urban Seaは、自身が凱旋門賞を制しただけでなく名種牡馬Galileoの母としても知られ、近年この馬の血が流れる馬が凱旋門賞を席巻している。この年も出走馬の実に9頭がUrban Seaを血統内に内包しており、上位1着から4着までの馬にはすべてUrban Seaが入っていた。もはや現代のヨーロッパ競馬はこの馬なしには語れないほどになっている。しかもそれが牝馬であるということは驚くべきことだ。
同じく今年の出走馬の9頭にその血が継がれていた馬がもう一頭。それが昨年まで4年連続で勝ち馬を輩出していた系統の祖Sadler’s Wellsである。惜しくも今年は直系のミニーホークが2着に敗れ、5年連続勝利は逃したが存在感は示した。ただ、違う見方をすれば、近年は3着以内に2頭は父Sadler’s Wells系がきていたことを考えると、2着に1頭しか入らなかった今年で、血統トレンドの変わり目がきたと捉えることもできるかもしれない。
ダリズ
See The Stars | Cape Cross | Green Desert | Northern Dancer 系 Danzig |
Park Appeal | |||
Urban Sea | Miswaki | Mr. Prospector 系 Mr. Prospector | |
Allegretta | |||
Daryakana | Selkirk | Sharpen Up | Native Dancer 系 Atan |
Annie Edge | |||
Daryaba | Night Shift | Northern Dancer 系 Northen Dancer | |
Darata |
ミニーホーク
Frankel | Galileo | Sadler’s Wells | Northern Dancer 系 Sadler’s Wells |
Urban Sea | |||
Kind | Danehill | Northern Dancer 系 Danehill | |
Rainbow Lake | |||
Multilingual | Dansili | Danehill | Northern Dancer 系 Danehill |
Hasili | |||
Zenda | Zamindar | Mr. Prospector 系 Gone West | |
Hope |
ソジー
See The Stars | Cape Cross | Green Desert | Northern Dancer 系 Danzig |
Park Appeal | |||
Urban Sea | Miswaki | Mr. Prospector 系 Mr. Prospector | |
Allegretta | |||
Sosia | Shamardal | Giant’s Causeway | Northern Dancer 系 Storm Cat |
Helsinki | |||
Sahel | Monsun | Sterling 系 Blandford | |
Sacarina |